家を相続する手続きの流れは?分け方や自分でできるのかを解説

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立石 天真

筆者 立石 天真

不動産キャリア15年

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家を相続する手続きの流れは?分け方や自分でできるのかを解説

家を相続する場合、どのような手続きが必要なのかご存じでしょうか。
今回は住まいを引き継ぐ場合の流れや分け方を解説します。
また、自分で手続きをおこなう方法はあるのかもお伝えいたしますので、身内の方が亡くなったときに備えたい方はご参考になさってください。

家を相続する手続きの流れ

家を相続する手続きの流れ

家を相続する場合、どのような手続きが必要なのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。

具体的な流れ

家に限らず、不動産を相続する場合は、まず遺言書が残っているかをチェックします。
この確認をしないと、資産を引き継ぐ工程はスタートできません。
そもそも遺言書は、被相続人の方が資産をどのように分配したいのかが記載されているため、何よりも優先的にチェックしなくてはならないのです。
遺言書の有無を確認できたら、相続人を確定させて、どのような資産が残っているのかをチェックします。
この資産は、預貯金や不動産などプラスの資産だけではなく、住宅ローンをはじめとするマイナスの資産も含まれます。
その後は協議を実施して、どのように資産を分け合うのかを決める流れです。
状況によっては、この協議の際に揉め事へ発展し、なかなか分配について決まらない場合もあります。
どのように資産を分け合うのかが決まったら、不動産の名義を変更します。
変更しないままだと、家が被相続人の名義のままになってしまうため注意が必要です。
そのままにしていると売却ができなくなったり、過料のペナルティが発生したりするリスクがあります。
最後に、相続税の申請と納付をおこない、おおまかな手続きは終わりです。

遺言書が遺されている場合

もし、最初の時点で遺言書が見つかっていた場合は、その内容にしたがって資産を分け合います。
また、そもそも遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
種類によって保管場所が異なりますが、主に遺言者自身か法務局、または公正役場にあると考えられるので、必ず確認しましょう。
また、場合によっては家庭裁判所で記載されている内容を確認する工程が必要です。
これを「検認」と呼びます。
もし、検認をおこなわずに遺言書を開封してしまった場合、5万円以下の過料が発生してしまうので、気を付けてください。
検認が必要なのは、遺言者自身が遺言書を保管していた場合です。
そのため、多くの場合は自宅で保管されているのを見つけたケースに限ります。
たとえば、法務局や公正役場で遺言書が見つかった場合は、検認は不要です。

相続した不動産の分け方

相続した不動産の分け方

不動産は相続人同士でどのように分割すると良いのでしょうか。
以下で分け方を解説します。

現物分割

現物分割は、もっとも簡単な分け方として知られています。
これは家や土地などの不動産を、1名がそのまま引き継ぐ方法を指します。
たとえば、兄弟で遺産を引き継ぐ場合、兄が家を、弟が預貯金を引き継ぐようなイメージです。
また、土地が残されていた場合、それらを坪ごとに分け合うのも現物分割とされます。
残されていた資産をその状態で分け合うため、簡単な方法のように見えます。
しかし、実際は評価額に差ができる可能性が高く、不公平だと感じてしまう方は多いです。
たとえば、土地と建物がそれぞれ残されていたとしても、その評価額は異なります。
また、現金と不動産が残されていて兄弟でそれぞれ引き継いだ場合、不動産を売っても2,000万円程度にしかならず、現金で3,000万を獲得したほうは得になるため、公平とはいえません。
このような背景事情があるため、現物分割は分割の方法そのものは簡単でも、公平性はない方法と考えられています。

代償分割

代償分割は現物分割よりも公平性があり、協議の際に揉め事になりにくいといわれています。
この方法の仕組みは、1名が土地や建物などの資産を引き継ぎ、他の方に対して代償金を支払います。
そのため、不動産を相続する方は家や土地を手に入れる代わりに、他の方にお金を支払わなくてはなりません。
たとえば、兄弟で評価額3,000万円の家が残されており、長男がそれを引き継ぐとします。
この場合は、弟に対して相続分に相当する代償金を支払われる仕組みです。
代償金が支払われることで公平性が保たれるため、不満は起きないでしょう。
ただし、この場合は不動産を引き継ぐ方が、代償金を準備しなくてはなりません。
そのため、まとまった資金がない場合、対応できなくなってしまうでしょう。

換価分割

換価分割も公平性に長けている方法として知られています。
仕組みはシンプルで、家や土地などを売却して現金化し、それをそれぞれの相続人で分ける方法です。
たとえば、建物が4,000万円で売却できた場合は、兄と弟で2,000万円ずつ分けられます。
手に入る遺産がまったく同じになるので、揉め事になりにくいです。
家や土地などではなく、現金ならきっちり分けられるため、協議もスムーズに進みます。
ただし、分け合う方法は簡単でも、そもそも売却に難航してしまうケースは少なくありません。
たとえば、建物の経年劣化が激しかった場合、買い手が見つからず、いつまで経っても現金化できなくなります。
また、やっと売却できたとしても、思っていたよりも得られた収益が少なくなるケースもあります。
得られるお金が少額で、それを相続人同士で分け合うと、それぞれほんの少しの現金しか得られなくなる可能性があるでしょう。
あくまでも得られる資産は、不動産の資産価値によって左右されると考えてください。

不動産の相続は自分でできるのか

不動産の相続は自分でできるのか

もし、家を引き継ぐ場合、自分で対応できるものなのでしょうか。
以下で詳しく見てみましょう。

自分で相続手続きを始めてもよいケースとは

そもそも遺産に関する問題は複雑で、自分で対応するのは難しいと思われがちです。
しかし、配偶者と子どもだけが相続の対象となる場合や、コツコツと対応できるだけの時間と忍耐力がある場合は、自分で手続きを進めても問題ないでしょう。
基本的に資産を引き継ぐ方が少ないと、それだけ申請をする際の工程が少なく済みます。
話し合いもスムーズに進みやすく、身内同士の揉め事になるリスクが低いです。
さらに、準備しておくべき必要書類も人数分少なくなるため、自分で対応できる可能性が高くなります。
ただし、先述したように、時間と忍耐力がある程度必要です。
たとえ相続人が少人数でも、手続きがややこしいのは変わりません。
そもそも必要書類を集めたり、申請をしたりするためには、役所に複数回足を運ぶ必要があります。
しかし、役所は平日の日中にしか利用できません。
また、いざ役所へ行っても待ち時間が発生し、待合室で数時間過ごす羽目になるケースもあるでしょう。
こうした事態を考えると、自分で対処するのは難しいと感じる方がほとんどです。

専門家に依頼した方がよいケース

もし、時間に余裕がなく、相続人が配偶者・子ども・孫のように人数が多い場合は、専門家に依頼したほうがいいでしょう。
専門家なら申請手続きに慣れているため、迅速な対応が可能です。
複雑な内容でも、専門知識とノウハウを活かしてくれるので、安心感があります。
ただし、専門家に依頼する場合は費用がかかります。
時間と労力をかけずに済むのはメリットではありますが、資金的な問題が絡むため、事前に費用について相談したうえで考えましょう。

まとめ

家を引き継ぐ流れとして、まずは遺言書の有無を確認する工程からスタートしましょう。
分け方は主に3つありますが、書類によっては検認が必要なので注意してください。
自分で対応する方法はありますが、難しい場合は専門家に頼みましょう。


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