空き家を売るか貸すかの判断基準は?売却方法やポイントも解説

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立石 天真

筆者 立石 天真

不動産キャリア15年

お客様の家を売る、買うに真剣です!! 
乾坤一擲の精神で小回りの利く痒い所に手が届くサービス精神を心掛けています!!

空き家を売るか貸すかの判断基準は?売却方法やポイントも解説

相続などで空き家を所有している方のなかには、売ったほうが良いのか貸して有効活用したほうが良いのか判断に迷う方も多いでしょう。
どちらを選ぶべきかの基準と双方のメリット・デメリットを解説します。
売却する方法や、トラブルを避けて成功させるポイントも解説しますので、空き家対策を検討している方は参考にしてください。

空き家を売るか貸すかの判断基準

空き家を売るか貸すかの判断基準

空き家を売るのと貸すのとではどちらが良いかを判断する基準と、売る場合と貸す場合のメリット・デメリットを解説します。

売るか貸すかの判断基準

貸す場合には、借り手の需要があるかどうかの見極めが重要です。
借り手を見つけるのが難しい場合は家賃収入が見込めないうえに、固定資産税などの税金や管理する手間や費用もかかるためおすすめできません。
賃貸物件としての需要が見込める場合には、売却した場合の手取り額と、家賃収入で得られる手取り額で比較してみましょう。
具体的には現時点と5年後の売却でのそれぞれの手取り額と、5年間の賃料収入の手取り額で比較します。
貸す場合は、大がかりなリフォーム工事が必要になる場合がほとんどであるため、リフォームにかかる費用は差し引いてください。
家賃収入の割に工事費用がかさむ場合は、賃貸物件に活用するのは難しいでしょう。
そのようなケースでは、なるべく早期に売却するのが現実的な方法です。

空き家を売るメリット・デメリット

空き家が売れれば、まとまったお金が手に入ります。
建物の価値は年月の経過によって下がるのが一般的であるため、早めに売却するほど高い値段で売れるでしょう。
人口が減少傾向にある現代では、賃貸物件の需要は将来的に減っていく可能性があります。
今売却すれば、経済状況や自然災害から受ける将来的なリスクを減らせる点はメリットです。
また、空き家を手放してしまえば、管理の手間や税金を含む維持費はかかりません。
デメリットは、自分のものではなくなってしまう点です。
施設に入所中の親が戻ってくるなど、将来的に誰かが住む可能性がある場合は、売却に踏み切るのは難しいかもしれません。
不動産会社への仲介手数料や、相続登記をしていなければ登記費用など、家を売るための費用がかかります。
住宅ローンが残っていて家を売ったお金で完済できない場合には、手持ちの資金から返済しなくてはならない可能性もあります。

空き家を貸すメリット・デメリット

空き家を貸すメリットは、所有権は自分にあるため、資産として手元に残しておける点です。
将来的に自分が住んだり、タイミングをみて売却したりもできます。
借り手が見つかれば継続的な家賃収入が見込めるため、これまで費用がかかるばかりであった空き家から収入を得られる点はメリットです。
所有者が支払う固定資産税も、家賃収入から捻出できるでしょう。
また、建物に人が住まなくなると劣化が進むため、維持するには所有者の管理が必要です。
誰かに住んでもらえれば、生活するなかで換気や掃除がおこなわれるため、これまでの管理が不要になります。
ただし、管理にかかる費用や維持費用は負担しなくてはなりません。
また、入居者が見つからなければ家賃収入は得られず、費用だけがかかります。
入居者が見つかった場合でも、家賃を滞納したり近隣トラブルを起こしたりと問題が発生するケースがある点はデメリットです。
きれいに使ってもらえず、家が傷む可能性もあります。

空き家を売る方法

空き家を売る方法

空き家を売る方法として、古家付き土地として売る方法・解体して売る方法・リフォームして売る方法を解説します。

古家付き土地として売る

土地付きの空き家の場合に、建物はそのままの状態で売却する方法です。
築20年以上経っている物件は、建物自体の価値は無いに等しい場合がほとんどで、中古物件として売り出しても買い手を見つけるのは難しいでしょう。
古家付き土地として売り出せば、解体などの手間をかけずに済むうえに、時間やコストがかかりません。
土地を活用する際の家の解体や造成などの費用は、すべて買主の負担になるため、売主のリスクを減らせます。
手間や時間をかけずに、出費も抑えたい方にはおすすめの方法といえるでしょう。
ただし、売却価格はほかの方法に比べて安くなる場合がほとんどです。
築20年以上経っていても、リフォームしていて状態がよければ中古物件として売れる可能性もあるので、中古物件として売り出す方法を検討してみても良いでしょう。

家を解体して売る

建物を解体して、更地にしてから売る方法は、古家付き土地よりも買い手がつきやすい方法です。
建物の一部が壊れていたり、劣化が激しかったりする場合は、倒壊のおそれがあり行政の指導が入るケースもあります。
草木が伸び放題で荒れた状態では、買主に良い印象を与えられないでしょう。
解体にかかる費用や手間などは負担しなくてはなりませんが、古家付き土地よりも高く売却できる傾向にあります。
ただし、解体して更地にした状態で1月1日を迎えてしまうと、固定資産税や都市計画税に適用されている特例が受けられなくなる点に注意しましょう。
また、解体工事には思わぬ費用がかかる場合があります。
庭木やブロックなどの外構部分や、地中の浄化槽や基礎杭の撤去にかかる費用など、見積もりを確認して実際にかかる費用の把握が必要です。

リフォームして売る

建物の状態が悪いために買い手が見つかりにくい場合には、リフォームして物件の魅力を高めたうえで売る方法もあります。
きれいな状態で設備も新しければ、物件自体の価値を上げて、高値で売却できる可能性も高まるでしょう。
リフォームで問題点が解決されたために、買い手が見つかるケースもあります。
ただし、リフォームにかかる費用は負担しなくてはなりません。
また、リフォームの内容にも注意が必要です。
趣味が偏ったデザインや設備などは、購入希望者の対象範囲を狭めるリスクがあります。
リフォームをおこなう範囲を限定し、万人に好まれるスタンダードな内容に絞るのがおすすめです。

空き家を売る際のポイント

空き家を売る際のポイント

空き家を売る際に気を付けるべきポイントとして、長期的な計画と、現在の状態の確認が必要である点を解説します。

長期的な計画を立てる

空き家を売却する際には、すぐ売れると楽観視せず、長期戦を覚悟して計画を立てる必要があるでしょう。
空き家は年々増加しており、築年数や立地などの条件によっては、買い手が見つからないケースもあり得ます。
早く売ろうとして焦りが生じると、値下げをせざるを得なくなり、結果的に損をする場合もあるでしょう。
立地や建物の状態がよくない場合は、とくに時間がかかるものと想定して、スケジュールを立てるのが売却を成功させるポイントです。
売れるまでは管理費用や固定資産税などがかかるため、前もって用意しておきましょう。

空き家の状態を確認する

売却する前に、敷地の境界が確定しているか、名義人が自分になっているかなどの確認が必要です。
シロアリ被害や雨漏りなどの欠陥がないか、建物の状態を確認して、状況に応じて修繕などの対策を施しておきましょう。
状態を確認しないままで売却すると、契約が白紙になったり、損害賠償請求されたりなどのトラブルが発生するリスクがあります。
空き家が遠方にある場合でも、現地を訪れて実際の状態を確認しておくのが大切です。
家の状況の他にも、対面する道路や法令上の制限、周辺の物件の価格相場もチェックしておくと、売るための戦略が立てやすくなります。

まとめ

空き家を売るか貸すかは、建物の状態や周辺の賃貸物件の需要をもとに判断すると良いでしょう。
借り手を見つけるのが困難な状況であれば、早い段階で売りに出すのがおすすめです。
売りに出す際には、現状を把握したうえで長期的な計画を立てましょう。


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