高齢者によくある不動産の売却トラブルは?回避の方法をご紹介

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立石 天真

筆者 立石 天真

不動産キャリア15年

お客様の家を売る、買うに真剣です!! 
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高齢者によくある不動産の売却トラブルは?回避の方法をご紹介

近年、高齢者の方が不動産売却のトラブルに巻き込まれる事例が増加しています。
自宅などの不動産の売却を持ちかけられた場合にトラブル事例を回避するための対処について把握しておくことは大切です。
今回は、高齢者の不動産売却トラブルが増加している理由やトラブル事例、トラブルを回避する方法についてご紹介します。

高齢者の不動産売却トラブルは増加している

高齢者の不動産売却トラブルは増加している

近年では、不動産業者から自宅の売却を強引に持ちかけられて高齢者の方が売却してしまうトラブルが増えています。
60歳以上の方による不動産売却に関するトラブルの相談件数において、70歳代や80歳以上の方による相談の割合が増加しており高齢者の方が狙われやすくなっているのです。

判断力の低下や認知症を狙っている

高齢者の方がトラブルに巻き込まれる事例が増加している理由のひとつには、判断能力が低下していることが挙げられます。
歳を重ねると現役時代よりも体力が落ち、じっくり物事を考えて結論を出すことが難しくなる場合が多いです。
そのため、適切な判断が難しくなった高齢者の方を狙ってわざと無理な契約を迫る業者がいます。
また、認知症の症状によって自分が何の契約を結ばされているのかが分かっておらず、契約したことも覚えていないケースもあるでしょう。
高齢者の方が不動産売却トラブルに巻き込まれるのは、こうした判断能力の低下した方を狙った取引を持ちかける悪質な業者がいるためでもあります。

安易に売却の契約をしてしまうとどうなる?

業者に強引に迫られて自宅などの不動産を売却する契約をしてしまうと、住む場所を探すのが難しくなる可能性があります。
60歳以上の高齢者の方は、健康上のリスクなどから賃貸物件を借りるのが難しいです。
住宅ローンを組んで新しい物件を購入するのも難しく、自宅を売却したことにより住む場所を失う可能性があります。
また、不動産の売却契約はクーリング・オフできないため、契約を解約しようとすると違約金が発生する場合も多いです。
高額な違約金を支払わされてその後の生活費が減少するなど、不動産の売却を承諾したがために生活に支障が出る可能性があります。
認知症の方が契約を結んだことに家族が気付いたときには業者と連絡が取れなくなっているなど、トラブルに巻き込まれると解決が難しくなるため注意が必要です。

高齢者の不動産売却トラブルの事例

高齢者の不動産売却トラブルの事例

不動産売却におけるトラブルでは、悪質な業者による迷惑な交渉などが多く挙げられます。
長時間の居座りや契約時の嘘の説明など、あの手この手で不動産を安価に売却させようとしてくるためです。
不動産を売却するにも関わらず、高額な費用を支払わされる場合もあります。
トラブルを回避するためには、まずどのようなトラブルがあるのかを知っておくことが大切です。

長時間の居座り

不動産売却を持ちかけてくる不動産業者が起こすトラブルで多いのは、自宅の玄関先などでの長時間の居座りです。
家主の方が契約するつもりはないので帰ってほしい、と伝えても頑として動かず、根負けして契約を承諾するまで居座り続ける業者がいます。
多くの高齢者の方は警察沙汰など事態が大事になるのを避けたいと感じ、早く帰ってほしいあまりに契約を飲んでしまうのです。
業者がいつまでも居座ることに威圧感や恐れを感じずにいられる高齢者の方は多くありません。
複数人で押しかけてきて朝10時から夜まで居座られることもあり、1日だけでなく何日も来られる場合もあるのです。

嘘の説明で契約を誘導する

高齢者の方が所有している不動産について、周辺を開発する計画がある、建物を取り壊す予定があるなどと嘘の説明をする業者もいます。
高齢者の方のなかには「不動産業者が言うなら正しいのだろう」と考えてそのまま売却の契約を結んでしまう方もいるのです。
そういった契約では、本来の相場よりも安価な価格で不動産を売却させられるケースが相次いでいます。
また、業者が口頭で説明した内容と契約書の内容が異なっており、契約者の方の認識よりも不利な条件で契約を結ばされている可能性もあるでしょう。
契約を結んでしまう前に、説明された内容が正しいのか情報収集をおこない、契約書を家族に確認してもらう必要があります。

シロアリ駆除費用を請求される

悪質な業者と契約すると、安価に不動産を買い取られるだけでなくさまざまな費用を請求される場合があります。
古い住宅の場合は修繕費用やシロアリ駆除費用として高額な費用を請求される可能性があり、注意が必要です。
実際にはシロアリの被害がなかったにも関わらず、そうした費用を請求される場合もあります。
また、契約を結んでしまうと解約にもお金がかかるため、あとから取り消そうとするとそれだけで出費が発生する可能性が高いです。
不動産業者によってはこうした修繕費や解約の違約金を目当てに契約を持ちかけてくる場合があります。

高齢者の不動産売却トラブルを回避するにはどうすれば良い?

高齢者の不動産売却トラブルを回避するにはどうすれば良い?

一度不動産売却の契約を結んでしまうと、覆すのには並ならぬ労力が必要です。
連絡が取れなくなる業者も少なくないため、ほとんど泣き寝入りになる可能性もあります。
そのため、怪しい業者とは契約を結ばずにトラブルを回避するのが望ましいです。

納得できない場合は契約しない

不動産の売却契約に関するトラブルを回避するためには、業者の説明に納得できない限り契約しないことが大切です。
その場で説明されたことだけで判断するのではなく、業者の説明を裏付けるような情報があるか、あとから調べるようにしましょう。
とくに、契約内容についてぼかされる場合や契約書などの内容をしっかり読みながら説明してくれない場合は注意が必要です。
また、不動産業者には1人で応対せず家族などに立ち会ってもらうと良いでしょう。
高齢者の方が1人で対応すると、強い態度で押し切られて契約を結んでしまう可能性があります。
身近な方に立ち会いを頼むのが難しければ、弁護士などの専門家を頼るのもおすすめです。

不要な契約ははっきり断る

不動産を売却するつもりがない場合や、契約内容に納得できない場合ははっきり断ることが大切です。
揉め事を避けようと曖昧な言葉でやんわり断ろうとすると、契約を飲む可能性があると判断されてしつこい勧誘を受ける原因になります。
不動産を売るつもりはない、今後連絡しないでほしいなど、断るときははっきりとした言葉を用いることが大切です。
消費者側が勧誘を断っているにも関わらず不動産業者が無理に勧誘を続けることは宅地建物取引業法違反になるため、消費者生活センターなどに通報すると良いでしょう。
あまりにもしつこいのであれば電話に出ない、インターフォンにも応答しないといった対処が必要です。

クーリング・オフはできない

自宅を不動産業者に売却する場合、契約のクーリング・オフはできません。
そのため、手付解除が可能な期間中に手付倍返しによって手付金の倍額を不動産業者に支払うか、期間が過ぎてしまった場合は違約金を支払う必要があります。
無理な契約では相場より安価で購入される場合が多いですが、それでも不動産売却では売却代金が高額になるため手付金や違約金も高額になりがちです。
こうした余分なお金を支払うことにならないよう、消費者生活センターや弁護士などに相談しながら契約を検討する必要があります。

まとめ

高齢者の方は悪質な業者から押しに弱いと考えられており、トラブルに巻き込まれるケースが多いです。
自宅に長時間居座られたり、嘘の情報で誘導されたりして契約を結んでしまう場合があります。
トラブルを避けるためには、怪しい契約には簡単に応じないこと、不要な売買契約ははっきりと断ることが大切です。


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