不動産売却時に火災保険の解約手続きをする方法とは?返金額についても解説

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立石 天真

筆者 立石 天真

不動産キャリア15年

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乾坤一擲の精神で小回りの利く痒い所に手が届くサービス精神を心掛けています!!

不動産売却時に火災保険の解約手続きをする方法!返金額についても解説

不動産売却をおこなう際は、火災保険の解約手続きも忘れずにおこなわなければなりません。
しかし、火災保険を解約するタイミングを誤ってしまうと、万が一のときに大きな損失を被ることになるため注意が必要です。
そこで今回は、不動産売却により火災保険を解約する手続きについてや返金額、また解約前に火災保険を使って修繕できることについて解説します。
不動産売却をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

不動産売却により火災保険を解約!手続き方法とタイミングについて

不動産売却により火災保険を解約!手続き方法とタイミングについて

家を購入したり建てたりする際は、火災保険に加入することが義務付けられています。
不動産売却時には、加入している火災保険の解約手続きが必要になります。
ただし、解約タイミングを誤ると、さまざまな損失を負うことになるため注意しなければなりません。
ここでは、火災保険を解約する手続き方法やタイミングについて解説します。

解約手続きの仕方

火災保険を解約する際は、加入者自身が加入している保険会社に連絡する必要があります。
保険会社に解約の旨を伝えると、解約申請書類が郵送されますので、その書類に必要事項を記載し返送しましょう。
火災保険の解約申請の受領および精算手続きが完了すると、返金分がある場合は保険料が指定口座に振り込まれ、手続きは完了です。

解約するタイミングはいつ?

前述したように、火災保険を解約するタイミングはとくに重要です。
早く解約すれば、多く返金されると考え、急いで解約手続きを進めがちですが、それはリスクが大きいため避けるべきでしょう。
解約に適したタイミングは、不動産を引き渡したあと(所有権移転登記後)がおすすめです。
なぜなら、買主が見つかり売買契約が成立しても、実際に家を引き渡すまでに数か月かかるケースがあるからです。
もし、引き渡しまでの間に火災や災害が発生した場合、これらの損害費用を負担するのは売主になります。
火災保険を解約していた場合、当然ながら何の保証も受けられず、多額の費用を負担することになります。
このようなリスクを避けるためにも、火災保険は買主に所有権が渡る、引き渡ししたあとに解約するようにしましょう。

不動産売却により火災保険を解約!返金額について

不動産売却により火災保険を解約!返金額について

火災保険の解約手続きをすると、契約内容によって、払いすぎた保険料を返金してもらうことができます。
ここでは、解約時に返金される条件や、計算方法を解説します。

保険料が返金される条件

火災保険の解約時に保険料が返金されるのは、「長期一括で契約している場合」と「解約時に残存期間が1か月以上ある場合」の2つの条件を満たす必要があります。
火災保険に加入していたからといって、必ず返金されるわけではないため、注意するようにしましょう。
まず、1つ目の条件である長期一括契約は、保険料が割安になることから、多くの方が契約している方法です。
長期一括契約をしている場合は、まとめて支払っているため、未経過部分の保険料を返金してもらえる可能性が高いでしょう。
また、2つ目の条件である残存期間が1か月以上であることも満たす必要があります。
つまり、長期一括契約をしていても、残存期間が1か月未満の場合は、返金の対象とならない可能性が高いため注意が必要です。

返金額の計算方法

返金額は解約返戻金と呼ばれ、以下の計算方法で算出されます。
解約返戻金=支払い済みの保険料×未経過料率(返戻率)
支払い済みの保険料とは、契約時に長期一括で支払った保険料のことを指します。
たとえば、保険期間が10年の場合、契約時に10年分の保険料を一括で支払っていることが一般的です。
この支払い済みの保険料は、年間保険料に長期係数を乗じて算出されます。
長期係数は保険会社ごとに設定されており、保険期間(2~10年)に対して、1.85から8.20の範囲で設定されています。
また、未経過料率も保険会社ごとに異なるため、解約を考えている場合は事前に確認しておくことが重要です。

火災保険の解約でいくら返金される?

返金される条件を満たしていた場合、いくらくらいの金額が戻ってくるのでしょうか。
ここでは、具体的な例を用いて返金額を算出してみます。
例:契約期間10年、解約時期4年5か月、年間保険料2万円、長期係数8.2の場合
この場合、契約時に一括で支払った保険料は「2万円×8.2=16万4,000円」と計算できます。
4年5か月で解約した場合の未経過料率は57%のため、解約返戻金は「16万4,000×57%=9万3,480円」です。
つまり、このケースでは9万3,480円が返金されることになります。
ただし、未経過料率は保険会社によって異なるため、具体的な返金額が知りたい場合は、加入している保険会社に問い合わせてください。

不動産売却により火災保険を解約!解約前にできる修繕について

不動産売却により火災保険を解約!解約前にできる修繕について

火災保険を解約する際に、ぜひ確認しておきたいポイントが、保険を使って修繕できる箇所がないかどうかです。
なぜなら、火災保険を使って修繕できる可能性があるからです。
不動産売却前に修繕できれば、資産価値が上がり、高値売却できる可能性もあるでしょう。
ここでは、火災保険を解約する前に修繕できる可能性があることについて解説します。

契約内容によっては解約前に修繕が可能

火災保険に特約やオプションを付けている場合、火災保険を利用して修繕できる可能性があります。
キズや破損をそのままにして売却すると、買主から値引き交渉をされることがあります。
また、欠陥や不具合があるにもかかわらず、買主に伝えず引き渡した場合、契約内容に不適合として修繕を求められたり、契約解除となったりすることがあるでしょう。
修繕を求められると、多額の修繕費用を負担することになる可能性があります。
しかし、火災保険の解約前にキズや破損を修繕しておけば、そのリスクを解消できるだけでなく、高値での売却も期待できるかもしれません。
そのため、まずは契約内容を確認することが重要です。

火災保険で修繕できる災害

火災保険が保証している内容は、火災による被害だけではありません。
火災保険は、水害や地震による被害にも対応しています。
火災保険で修繕できる災害は以下のとおりです。

●水害による浸水および給排水設備が原因で生じた水ぬれ
●雷の落雷による被害、破裂や爆発
●強風による風災や飛来物の衝突による破損および物体の落下
●偶発的な事故による破損や汚損
●盗難または盗難によって発生した破損や汚損


これらの項目に該当する場合、火災保険で修繕できる可能性があります。
加入していないと思っていても、オプションに加入していることを忘れているケースもあります。
そのため、被害があっても、そのまま放置している方も多くいるでしょう。
もし、上記のような災害による被害を受けていた場合は、売却する前に修繕しましょう。
修繕せずに売り出すと、低価格での売却になる可能性があるため、解約前に再度確認することをおすすめします。

まとめ

不動産売却時には、契約している火災保険を解約する必要がありますが、そのタイミングは買主に引き渡したあとにおこなうようにしましょう。
引き渡し前に解約してしまうと、引き渡しまでに損害が生じた場合に、自己負担で修繕しなければならなくなるためです。
また、解約する前は、火災保険を利用して修繕できる箇所がないか確認し、あれば火災保険を使って修繕しておくと、スムーズに売却できる可能性が高いでしょう。


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