不動産売却時の心理的瑕疵とは?売却価格への影響や告知義務についてご紹介
不動産のなかには「心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)」と呼ばれる物件があります。
もし所有している不動産が心理的瑕疵物件に該当してしまったときは、不動産売却にどの程度影響があるのか、不安に感じる方は多いのではないでしょうか。
今回は、不動産売却前に知っておきたい「心理的瑕疵」とはどのようなものなのか、売却価格への影響や告知義務についてご紹介します。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却前に知っておきたい「心理的瑕疵」とは
不動産売却をおこなうときに「心理的瑕疵」は注意しておきたい問題のひとつです。
まずは、どのようなケースが「心理的瑕疵」にあたるのかを知ることが大切です。
ここからは、不動産売却における「心理的瑕疵」とはどのようなケースかをご紹介しましょう。
不動産における「心理的瑕疵」とは
不動産における「心理的瑕疵」とは、構造や設備には問題がないものの、購入するときや住むときに心理的抵抗や嫌悪感をもつ欠陥のことです。
一般的に、不動産において住まいの重大な欠陥や問題点を「瑕疵」といいますが、通常の瑕疵は雨漏りや壁のひび割れなど物理的な問題を指します。
しかし、心理的瑕疵とは、実用上の問題はなくても、気持ちのうえで住みにくい家のことを指しています。
「心理的瑕疵」物件の具体例
「心理的瑕疵」物件には、おもに以下のようなものがあります。
●事故物件
●騒音・悪臭など周辺環境の問題
●ネット上の悪評
このなかでもとくに買主から拒否されやすいのが、いわゆる事故物件です。
事故物件とは、殺人事件があった・自殺の現場になった物件などで、売却するにあたって難易度が高い物件といえます。
しかし、高齢者の自然死や病死のときは、たとえ家のなかで亡くなったとしても事故物件扱いにはならないケースがほとんどです。
ただし、亡くなったあと時間が経過してから発見されたケースなど、リフォームをしてもにおいなどが残っている可能性があるときは、心理的瑕疵と判断されてしまうこともあります。
また、物件自体に問題がなくても、周辺に墓地があったり、反社会組織の事務所があったり、悪臭や騒音がひどいエリアだったりすると、心理的瑕疵物件とみなされてしまうでしょう。
ほかにも、ネット上で良くない評判が広がっているときも、ケースによっては心理的瑕疵物件として扱われることがあります。
心理的瑕疵物件の告知義務とは
瑕疵物件を売買するとき、売主には告知義務が課せられています。
しかし、心理的瑕疵には明確な基準がないため、以前は心理的瑕疵の告知に関する基準がなく、トラブルに発展するケースも少なくありませんでした。
そこで、2021年に国土交通省は「人の死の告知に関するガイドライン」を公表し、心理的瑕疵の告知によるトラブルを未然に防ぐ取り組みを始めています。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却で心理的瑕疵があるときの売却価格への影響
売却しようとしている不動産に心理的瑕疵があるとき、売却価格にどのような影響があるのかは気になるところです。
ここからは、不動産売却で心理的瑕疵があるときの、不動産売却価格への影響についてご紹介します。
心理的瑕疵のある物件の売却価格は一般的に低くなる
心理的瑕疵のある不動産については、購入する側からすると、積極的に購入したい不動産とはいえません。
その不動産を購入するにあたり、何かしらのメリットがないと、いつまでたっても売却できない事態になってしまいます。
そのため、心理的瑕疵のある不動産を売却するときは、相場にくらべて売却価格は低くなる傾向にあります。
しかし、売却価格をどの程度下げるかは心理的瑕疵の内容によって異なるため、個別に判断することになるでしょう。
心理的瑕疵のある不動産の売却価格は事件の内容による
心理的瑕疵のある不動産の売却価格は事件の内容によって変わってきます。
とくに、事件性や周知性、社会への影響によって大きく変化するでしょう。
たとえば、残虐性の強い事件である、事件について新聞やテレビなどで報道されていて、周辺住民の記憶に強く残っているなどです。
孤独死や自然死のケース
不動産において、孤独死や自然死が発生しても、基本的に告知義務は発生しないと考えられています。
ただし、亡くなってから長期間経過して発見されたケースでは、告知義務が必要だといわれています。
人が亡くなった物件に対する心理的瑕疵への抵抗感は人によって大きく異なり、どうしても嫌な方もいれば、さほど気にしない方もいるかもしれません。
孤独死や自然死においても、その内容によっては売却価格に影響が出る可能性がありますが、殺人事件などにくらべると影響は少ないでしょう。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
不動産売却時の心理的瑕疵の告知義務とは
心理的瑕疵のある不動産を売却するときには、買主に対して告知義務が発生します。
しかし、ひとくちに心理的瑕疵といっても状況はさまざまなので、告知義務が発生する基準の判断は難しいものです。
ここからは、不動産売却時の心理的瑕疵の告知義務について、くわしくご紹介します。
「不自然な死」のケースでは告知義務が発生
不動産売却のときに心理的瑕疵があるとして告知義務が発生するのは、自殺や殺人などの「不自然な死」があったケースです。
一方で、病死や老衰による死、すぐに発見された孤独死については、告知義務はないとされています。
以前は、告知義務についての明確な定義はなく、それにまつわるトラブルが絶えませんでした。
そこで、2021年に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公示しました。
心理的瑕疵の告知義務はいつまで必要?
不動産売却において、心理的瑕疵の告知義務は、発生からの経過年数によって異なります。
例として、自殺が発生した不動産のケースだと、賃貸物件なら3年、売買なら6年程度経過するまでの間は告知義務があるので注意が必要です。
一方で、賃貸物件で自殺が発生したあとに入居した方が退去したケースや、売買物件で事故のあった物件を買った人がさらに転売するときには、告知義務はなくなります。
ただし、これはあくまで目安なので、それぞれの心理的瑕疵の内容によって臨機応変に対応することが重要です。
不動産売却において心理的瑕疵の告知義務に違反したら?
不動産を売却するときに、心理的瑕疵の告知義務に違反すると、不動産業者は1年以内の業務の全部または一部の停止処分になります。
さらに、違反の程度が著しいケースになると、免許取り消しの処分を受ける可能性があります。
また、売主と買主の間では、心理的瑕疵による告知義務を怠ったとき、売却後に買主から損害賠償請求される可能性もあるので、告知義務を怠らないよう注意が必要です。
売主が心理的瑕疵のある物件である事実を隠して買主に売却し、引き渡したときは、契約の内容に適合していないとして「契約不適合責任」を負うことになります。
買主は契約不適合を理由に売買契約を解除する、または損害賠償請求が可能です。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む
まとめ
不動産売却時の心理的瑕疵とは、理的抵抗や嫌悪感をもつ欠陥を指し、おもに事故物件が該当します。
心理的瑕疵のある不動産を売却するときは、相場にくらべて売却価格は低いですが、価格は心理的瑕疵の内容によって異なるため、個別の判断となります。
心理的瑕疵のある不動産のなかでも、不自然な死のあったケースでは買主に対して告知義務が発生しますが、病死やすぐに発見された孤独死では告知義務はありません。
▼ 不動産売却をしたい方はこちらをクリック ▼
売却査定フォームへ進む