不動産の売却後に確定申告が不要なケースとは?特例についても解説

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立石 天真

筆者 立石 天真

不動産キャリア15年

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乾坤一擲の精神で小回りの利く痒い所に手が届くサービス精神を心掛けています!!

不動産の売却後に確定申告が不要なケースとは?特例についても解説

不動産売却した場合に確定申告は必要なのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今まで確定申告自体を自分でしてこなかったといった方も多いでしょう。
申告が必要なのにしなかった場合にはペナルティが課せられます。
申告しなかったからわからないだろうと思われがちですが、そのようなことはありません。
この記事では、不動産売却で確定申告が不必要な場合と、忘れたときのリスクや対処法、特例について解説するので参考にしてください。

不動産の売却後の確定申告が不要な場合の確認方法

不動産の売却後の確定申告が不要な場合の確認方法

どういった場合に確定申告が不要なのか確認方法を解説していきます。
まず必要な方はプラスがでて利益が出た場合です。
逆にゼロだったり、マイナスだったりと納めるべき税金がない場合は基本的に不必要になります。

確定申告とは

確定申告という言葉をよく聞くけれど、いまいちわからない方に簡単に解説するなら、1年間の所得を申告し、納税する額を確定する手続きを言います。
1つの会社からしか給与を貰っていない場合は不要ですが、自営業や副業をしているなどの場合には必要な手続きです。
そして個人で不動産を売却した年にも必要な場合があり、計算をして売却益があった場合には所得税と住民税が発生します。
もし期限内に申告や納税をしないとペナルティが科せられます。

課税譲渡所得の有無で決まる

まず不動産を売却した場合の所得は譲渡所得で、分離課税なので他の所得とは合算できないため自ら申告をしなくてはいけません。
よく不動産所得と勘違いされますが、不動産所得は不動産経営をして得た収入に対してで全く違うので注意してください。
不動産売却で譲渡所得があるかどうかは以下の計算式で計算できます。
課税譲渡所得=譲渡所得(売却額)‐取得費(購入額)‐譲渡費用(売却するのにかかった費用)
譲渡所得は売却して得た代金で、取得費は対象の不動産を購入したときにかかった費用です。
譲渡費用とは売却するのにかかった費用で、仲介手数料、印紙税、取り壊し費や測量費などが当たります。
計算して出た課税譲渡所得に所得税と住民税が課税されますが、税率は住んでいた期間が5年以下か超えかで変わり、5年超えのほうが税率は低いです。
さらに建物には減価償却費を差し引きます。
課税譲渡所得がゼロかマイナスなら申告するものがないので確定申告は不要です。
しかしマイナスでも確定申告し特例を受けて節税になる場合には必要です。

税務署からお尋ねがくる

確定申告が不要でも税務署から問い合わせがくる場合があります。
税務署は法務局と繋がりがあり、所有権移転登記の記録は税務署に流れているため、すべてて把握しているので申告しなくてもわかっています。
お尋ねは全員に届くわけではなく、またどんな基準で来るのかはわかりませんが、不動産を売却した翌年の確定申告が終わった4月以降に届くようです。
お尋ねと書かれた書類が届き、確定申告しなかった理由を問われます。
税務署からの手紙が届くと、何かしたのかと不安になりますが、質問に答えて送り返せば大丈夫です。
申告が必要で納税があると気づいたら、最寄りの税務署に行き早急に手続きをしましょう。

不動産の売却後の確定申告を忘れた時と不要だと思っていた場合のリスクや対処法

不動産の売却後の確定申告を忘れた時と不要だと思っていた場合のリスクや対処法

ここからは申告が必要だったのにしなかった、または忘れた場合のリスクや対処法をお伝えします。
種類は2種類あり、無申告加算税と延滞税の両方が加算されてしまいます。
急いで申告・納税すれば加算されない場合もあるようなので、わかった時点で早急に対処しましょう。

無申告加算税が加算される

申告しなくてはならない所得があるのに確定申告をしていないのを無申告と言い、無申告加算税が加算されます。
納付する税額に対して50万円までは15%、50万円超だと20%を追加して納めなければいけませんが、要件を満たせば、無申告加算税は課せられません。
要件とは法廷の申告期限から1か月以内に自主的に申告した場合と、期限内に申告する意思があったと認められる場合です。
あと過去5年間の間に無申告加算税または重加算税を課せられていない場合です。
注意点として申告書を提出した同じ日に納税もしないといけません。
納税が遅れると期限内に申告する意思があったと認めてもらえないので気を付けてください。

延滞税もある

申告をしていないと無申告加算税以外に罰金として延滞税も発生します。
延滞税とは納付期限の翌日から完納するまでの間にかかってくる税金です。
計算方法は納付するべき税額に一定の割合をかけます。
最大14.6%の延滞税が課せられてしまいます。
無申告加算税と延滞税は本来払わなくても良い税金です。
無駄な出費になるのでしっかりと申告しましょう。

銀行融資が受けられなくなる

申告をしていないと納税する金額が増えるだけでなく事業を始めたい時に融資が受けられなくなります。
新しく事業を始めるには銀行からの融資は大切です。
融資審査の際に提出する書類に決算書類が必要になってきます。
決算書がない、確定申告をしていない場合には、融資を受けられない可能性がでてきます。

不動産売却の確定申告に関わる特例について

不動産売却の確定申告に関わる特例について

不動産の売却後の確定申告に関わってくる特例とは、3,000万円の特別控除とそれでも譲渡所得がある場合の軽減税率、譲渡損失の場合の損益通算です。
詳しく見ていきましょう。

3,000万円の特別控除

正式には居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除などの特例と言い、使いたい場合は課税譲渡所得が最高3,000万円までなら非課税になる特例です。
この特別控除を受けたい場合には確定申告が必須です。
居住していたマイホームの売却時に発生した課税譲渡所得が対象になります。
条件としては住まなくなった日から3年以内に売る、住んでいた期間に関わらず家屋を取り壊した場合には契約譲渡を締結した日まで敷地を賃貸駐車場などにしていないなどです。
あとは売り手と買い手が親子や夫婦関係ではないなどもあります。

軽減税率

3,000万円の特別控除を利用しても、まだ譲渡所得がプラスの場合は軽減税率の特例を受けられます。
3,000万円の特別控除の適用後が対象で、さらに売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を越えている場合です。

譲渡損失による損益通算

譲渡損失は住居の買い替えで、住んでいた不動産を売却したけど購入したときよりも安く売れてしまい損失が出てしまった場合です。
居住用財産の譲渡、売却価格1億円以下などの条件を満たしていれば損益通算が可能になります。
損益通算は不動産での損失を他のプラスの所得である給与や事業所得から控除できる仕組みで、そうすれば所得の合計が少なくなるので節税に繋がります。
会社員の場合ですと、すでに月々の給与から所得税が引かれているので、納めすぎた分があると還付金として戻ってくる可能性もありです。
またその年の損益通算でも控除しきれなかった場合は翌年から3年間繰り越せます。

まとめ

不動産を売却した場合の確定申告は、課税譲渡所得が発生すれば必要です。
また特例を受けたい場合には損失だったとしても確定申告をしなければ受けられません。
忘れた場合や、不要だと思っていて申告をしなくて期限が過ぎた場合には、無申告加算税と延滞税が加算されてしまいますのでご注意ください。
3,000万円の特別控除や、譲渡損失があった場合には損益通算があるので上手に活用して節税に役立てましょう。


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